新 ハイスピード・ドライビング

スカイライン350GT、RX-8の試乗では、相棒のストリームでできている事が出来ませんでした。

ジムカーナの練習会以降練習している「FFのアクセルを踏んで曲がるコーナリング」ですが、フロント荷重で充分にターンインしておいて、アクセルを踏むことによってアンダーが出ても始めに充分内側を向いていたから減速せずにコーナリングするというものです。

(ここで、確認ですが周りに負荷をかけるような状況にはなっていません。もっと微妙な領域で練習しています。)

このトレーニングにストリームのダブルウィッシュボーン・リアサスペンションはいい仕事してくれるので、移動は楽しい行程になりました。

ロールも漸進的なのでそれを弊害ではなく手段として位置付ける事が出来ます。

しかし、これらは前述の2台には通用しません。

私はFRと暮らしたことがないのですが、R33スカイラインを[[富士スピードウェイ>シートポジション]]で走らせてもらったときはそんな事はなく、むしろ綺麗にドリフトさせて走る事ができたのです(R33が凄いのですが・・・)。

引越しの荷物に「ポール・フレール著:新ハイスピード・ドライビング」が埋まっている事に気付きました。

そこにはこの戸惑いに対する解答がありました。

「コーナーを回り切ってしまうまで全力加速に移れないのが、前輪駆動車に固有の短所である。加速が後輪駆動車より遅れてしまうのである。

(中略)

前輪駆動は、加速時に前輪荷重が減少するので、馬力/重量比の小さい車にしか実用的ではない性質のものだが、それがただ一つ有利になるのはきついコーナーにおいてである。きついコーナーではステアリングを大きく切るので、同一の加速を得るために必要な、後輪駆動車の駆動力がその前輪に与える横向き成分は、前輪駆動車の場合より大きく、したがって前輪のスライドに対する抵抗力も、もっとひどく減少するからである。」

つまり、私が日頃トレーニングしている事はステアリングの切り始めに対する反応がシャープなこの2台のFRでは禁忌だったのです。

確かに、スカイラインとRX-8は同じような反応を示しました。それ以外のときは気持ちいいだけになぜ?となった訳ですが、わたしの心得違いと分かり安心しました。

さあ、次のFRの試乗ではちゃんとやりますよ・・・え、しばらくないの(^_^;)

-“大舵角のコーナーではFRはアンダー”まだ半年足らずとはいえFRに乗っていながら、この事実に気づきませんでした(というか元々車がアンダー強すぎ?)私はまだまだ物理の勉強が必要なようです。精進せねば。 — [<G>] 2007-01-22 23:37:46 (月)

-<G>さん、一応確認ですが、大舵角時に前への「トラクションをかけたとき」という状況です。 — [Tanac] 2007-01-23 06:02:03 (火)

-前輪に荷重して向き変えした状態でアクセル踏んでもFRだと荷重が乗っている操舵輪(前輪)にはトラクションがかからないから曲がろうとする力が弱い、ということですか?微舵角時の場合だとどう違うのか?うう<走りを支配しているのは物理の法則であると頭では理解していながら、普段漫然と走っているツケがこんなところに(T_T)

Tanac様、なにとぞ解説をお願いしますm(_ _)m — [<G>] 2007-01-23 20:44:25 (火)

-横入り失礼します。大舵角と微舵角の曲がりの力については、以下のように理解しています。(舵角による曲がる力に絞るため、ヨーはとりあえず考慮せず簡単にしています)

FRの場合、舵角がついているときトラクションをかけると、ノーズ方向の力がかかります。この力をFとしてタイヤに着目すると前輪の回転方向と回転方向の直角の向きに力がかかります。センターからの舵角をAとするとタイヤの回転方向へF×COS Aの力がかかり、回転方向と直角の向き(遠心力に近い向きです)にF×SIN Aの力がかかります。COSはAが0度で1、Aが90度で0になり、SINは0度で0、90度で1になりますので、舵角が大きいほどタイヤに対して外向きの力が強くなり、90度で全く曲がらなくなります。(舵角90度はありえませんが・・)

で、横向きの力(F×SinA)にタイヤが負けたとき、アンダーが出るってことになります。この摩擦に逆らう力は滑り始める前は静止摩擦係数×タイヤにかかる面積あたり質量×重力加速度Gであらわされ、滑り始めた後は静止摩擦係数を動摩擦係数に置き換えた式になります。静止摩擦係数より動摩擦係数のほうが小さいので、いったん滑り始めると急にアンダーが出るってことになります。重いものを押して滑らすとき、すべりはじめる瞬間が一番重く、滑り始めると急に軽く感じるのと同じ原理です。そのため、インチアップするとタイヤのゆがみによる前兆を感じ取りにくくなり、ステアリングの応答性のよさと引き換えにすべりはじめのわかりやすさが犠牲になることとなります。実際のダイナミック解析ははるかに複雑でしょうが、舵角との関係は簡単に以上のように理解しておくことにしています。ちなみにFFの場合は前輪の回転方向へ直に力がかかるので、上記COS方向への力が大きくなりアンダー方向への力は慣性のみになるため、アンダーが出にくくなると理解しています。 — [IR0430] 2007-01-24 00:17:34 (水)

-IRO430さん、ありがとうございます。正確を期すため対象の部分を引用いたしましたので、ご参照ください。

でもIRO430さんのコメントの方が分かりやすいですね(^_^;)

「いったん滑り始めると急にアンダーが出るってことになります。」FR車で大舵角時にこれをわざわざやっていたわけです。ちなみにIS350で確認いたしました。RX-8の6AT試乗車が用意されたら・・・今までの試乗のバランスと合わないですね(^_^;) — [Tanac] 2007-01-24 05:44:56 (水)

-ハイスピードドライビングの本、早速amazonで注文しました。勉強したいと思います。上記私のコメントはコーナリング初期の話で、一旦クルマが回頭はじめるとヨーイングが発生しますので、この力で前輪のアンダー方向の力を打ち消せます。ここから前輪グリップを超えないスピード、もしくは十分な前輪荷重でアンダーを防いで回頭を開始し、加速でヨーイングを強く発生させればアンダーを打ち消せることになります。さらにヨーが強くなればオーバーステアへ移行です。この基本から考えると昔ながらの「スローイン、ファストアウト」「アウト・イン・アウト」はグリップ走行では理にかなった方法ですよね。そういえば昔雪道でファストイン、コースアウトをやらかしたことありました・・・&br;ところで上記のFF車の「コーナーを回り切ってしまうまで全力加速に移れない」のはアンダー方向への摩擦にグリップ力が使われてトラクションにまわすグリップが足りないってことでしょうか。ここのところが今ひとつわからず。 — [IR0430] 2007-01-24 08:05:51 (水)

-ありがとうございます。

確かにそうですね。私は、FFでコーナリング中にアクセルを踏む練習をしているわけですから・・・

また、マツダスピード・アクセラがこれに対する見事な答えを出してくれていますし。 — [Tanac] 2007-01-24 09:50:24 (水)

-IR0430様、Tanac様ご教示ありがとうございます。元来文系で物理、数学はすこぶるニガテ(Sin,Cosの時点でもう頭がウニってます)なのですが、頑張って理解したいと思います。 — [<G>] 2007-01-24 20:37:55 (水)

-20年近く前、NAVI誌に載っていた「アンダーの強いクルマなんて存在しない。アンダーなドライバーがいるだけだ」という記述を見ていたく感銘を受けたことがあります(あのころはオレも若かった・・)。それ以来、どうしたらアンダーが出るのか、アンダーが出たときハンドル切り増しはなぜいけないのか、コーナリング中のハードブレーキングはどういう挙動をもたらすか、雪道で最も速く安全にグリップ走行するには?、など上記の例のように自分なりにクルマの力学を考えてきました。

今回、Tanacさんご紹介の「新ハイスピード・ドライビング」を注文したので、自分の理解が正しいか、今一度整理してみたいと思います。テクニックも人間の中身もクルマよりアンダーにならないようにしたいものです。 — [IR0430] 2007-01-25 07:48:49 (木)

-「アンダーの強いクルマなんて存在しない。アンダーなドライバーがいるだけだ」いい言葉ですね。(何か聞いた事があるような・・・でもそんなに前のNAVIは読んでいないから、引用でしょうか)

雪道は勉強になりますよね。SVXと一緒に上越の高田にいた事があります。轍はだめですが、頼もしかったのを思い出しました。 — [Tanac] 2007-01-26 12:41:20 (金)

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