魔法のミッションDSG
実は、ミッションのモニターが私たち素人には一番わかりやすい項目かもしれません。私が今乗っているホンダ・ストリームはこのクラスでは当時としては画期的な5速ATでしたが、20~30km/hで1速から2速へのシフトアップします。ということは試乗して最初に感じることができる訳です。
GOLF GTIへの試乗は、このDirect Shift Gearbox(DSG)がお目当てと言っても過言ではありません。DSGとは簡単に言えば、マニュアルミッションのクラッチのON-OFF操作を油圧のロボットがやってくれるというものです(クラッチペダルはありません)。シフト操作もマニュアルモードのあるATと同じです。言われなければふつうのATとして運転できます。
ひとつだけ普通のATと違うのは、発進時にがばっとアクセルを踏むとちょっとギクシャクします。マニュアルミッションの車を運転するようなアクセルワークが必要です。考えてみれば、この車はクラッチのON-OFFだけがオートなのであって、構造的にはマニュアルミッション車であることを思いださせてくれます。それにジワーっと踏む(始めに少しだけ踏んで、シフトアップしたらまた少し踏み足す)方が普通のATに乗るときでも燃費が良くなるようですから、不満と感じる筋合いではないのかもしれません。
その代わり、マニュアル・モードでは魔法の世界です。今まで感じたことのないシフトチェンジの早さです。ちょっと飛ばし気味のスポーツドライブでは至福の時間となりました。ところが、あまり面白がっていると隣りの3歳の長男に「スピードやめて」と言われました。いつもはこれくらいでは言わないのですが・・・
それは音のせいだと気が付きました(長男はHONDA VTECで鍛えられている?)。ボーというエンジン音とロードノイズ(こちらはタイヤ交換で変わりそうですが)、それにサスペンション作動音がけっこう透過してきます。プジョー407のところで書きましたが、アドレナリンを出さないで普通に流すように走るときに居心地のよさが感じられないのです。
カーブに突っ込んだときの安心感は充分ですが、私の好みでは、ステアリングの切り始めの反応がもっとシャープな方が好きです。これだとアンダーステアであることをより強調してしまうのではないでしょうか。ただ、接地感はよく伝えてくれるのでコーナーに突っ込んでも不安はないのですが、運転中に思わず「にやー」としてしまう、まではいかないのです。ステアリングホイール自体の質量ががなくなってしまったような(操舵力が軽いという意味ではなくて)電動パワステの仕上がりは精緻で好ましいのですが、このページを読んでいただいている皆様には、欧州フォード・フォーカスへの試乗を是非お薦めいたします。
問題点として、シフトレバーの操作感を挙げなくてはなりません。またDSGのマニュアル操作時はパドルシフトが欲しいところです(2005年9月26日、パドルシフトが追加装備されました)。
ウィンカーレバーの操作感も改善が望まれます。この項目で意外と思うかもしれませんがホンダ・アコードに試乗してみる事をおすすめします。ホンダはバイク屋だから屋根のあるものはまだうまく作れない、なんてタクシーの運転士をしていた伯父がうそぶいていたのを真に受けていましたが、現行アコードからホンダは変わったと思います。あのブレーキの剛性感に対してBMWはどう対向しているのか、新型3シリーズに試乗して確かめたいところです・・・
CG誌では、「GTIのMTモデルはDSGよりもハンドリングが好ましい。」としています。GTIを検討されている場合はこの点を確認する必要がありそうです。
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ゴルフGTI(2)もご覧下さい(一人で乗り直しました)。
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ゴルフ GT TSI [Mashi] 2007-01-21 14:36:44 (日)
Tanacさん
ちょっと驚いてます。
VWから新しいエンジンでますね。
排気量1.4リッターで170馬力!直噴エンジンにスーパーチャージャーとターボチャージャーを搭載し、2ペダル6速DSGシフトと組み合わせることで、低燃費と2.4リッター車並みのハイパワーを実現したと・・・
かなり興味がありますよ、このエンジン!!
-Mashiさん、ネット見る事が出来ない所で日当直していて返事がおくれました。
これをネタにしたページの下書きを書いていたのですが・・・先に書かれてしまいましたね(^_^;)ツインチャージャーは憧れでした。ジェッタのFSIには正直、ストリームのVTECは負けたとさえ思いましたが、GTIのターボは音が・・・
でも、アウディTT 2.0TFSIの方はいい音なのでこのツインチャージャーの音に期待しています。 — [Tanac] 2007-01-22 10:03:38 (月)
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