膿を出すとは・・・

6月7日の朝、ズームイン・スーパーの辛坊さんが社会保険庁に追加の不明データが1400万件以上あるという報道に対して「とことん腐っている・・・」とコメントしました。

よく「膿を出す」と表現されますが、実際の手順を記してみます(この組織の改革においてどう対応してくるでしょう・・・)。

背中にできたアテローム(粉瘤)が化膿してしまい、痛かったのにほっといたら膿がでるようになった状況を想定します。

・充分局所麻酔します(麻酔なしでは無理です)。

・切開は十字に入れます。アテロームの大きさに対して充分切ります。

・膿を搾り出すだけではありません。膿を包んでいた袋の残骸もろともスプーンのようなもので掻きだします。つまり新しい組織が露出するまで古いものを取り除くわけです(結構血が出ます・・・)。

・切開創は縫いません。膿で汚染した傷は閉じません。新しい健常組織が中から盛り上がるように修復されます。むしろ充分盛り上がる前に皮膚だけ閉じないように創内にガーゼ等を充填しておきます。

(人間の身体は見事なもので、条件がそろわない間は健常組織はなかなか出てきませんが、創環境が整いだすとグググっと治りだします)

如何でしょうか。進行した膿瘍はこの様に処置されます。社会保険庁の状況はちょっと膿が出てきたというよりは更に進んで自壊してしまった膿瘍に匹敵するのでは・・・

ちょっと針をさして膿を出しても、すぐに再発します。充分麻酔をして根治的に処置すべき「膿み具合」ではないでしょうか。

この処置は早くやるべきで、どうしてこうなったのか、誰が悪いのかを議論してもここに至っては排膿の方法は同じです。

年金制度がどうあるべきかは別の話になると思います。150兆とも197兆円とも言われる年金積立金をどうするかは全く次元の違う話しです。

ここでの例えはあくまでも「腐っている」物はどう処置されるか、という話しです。年金改革は税制改革とセットで抜本的に変えるべきでしょう。そうであれば傷が治って冷静に考えた方がいいのでは・・・

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社会保険庁って? [IR0430]  2007-06-20 00:13:58 (水)

「年金制度がどうあるべきかは別の話になると思います」そのとおりではあるのですが、そしてまず膿を出す必要はあるのですが、どうあるべきかの形は決めないと進めようないとも思うのです。(膿を出して治療を続けるのか、いっそ患部を切断してしまうのか・・・) 年金は「国が胴元のネズミ講」でしかないので、底辺の参加者が減る(つまり少子高齢化)となると破綻はすでにビルトインされています。将来おそらくは公的資金(税金)投入とならざるを得ないので、ちょっと前問題となった年金不払い者の増加はむしろ公的資金を使う対象が減って、国費は助かることになるでしょう。今回の年金不信で年金不払い者はさらに増えると思えますので、皮肉なことに一時的には年金制度の延命になるでしょう。この点はマスコミではほとんど指摘されていませんが、年金払わない人増えたほうが将来税金の投入が減って助かるというおおっぴらに言いにくい構造的問題があります。私としては膿を出すより、患部を切断(つまり国営年金の民営化)して、自由加入とし、同時に401k的自助努力で老後に備え、現在の年金受給者には国費ではらう、のが実はもっともかかる金が少なくてすむと思います。極論を承知ですが、他に抜本方法が思いつきません。(労働人口減が決定した以上は・・・)

-IR0430さん、ありがとうございます。今回の騒ぎと政府のブレた対応は選挙対策だけとは思えない「なんかおかしい・・・」と思わせるものです。こういう事は極論じゃないと理解できませんから(^_^;)患部切断じゃなくてもイケると思いますよ、異物除去ですから・・・そのかわりドレナージ(持続排膿)をガッチリ効かせる必要はありそうです。 — [Tanac] 2007-06-20 09:18:42 (水)

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