TanaCar.netの試乗は正規ディーラーの短時間の試乗なので、高速域での挙動や限界時の挙動についてはカバーできません。これらを20年間購読してきたカーグラフィック誌の記事で必要なものはレビューとして補足して参りたいと思います。
もう一つ、重要な情報として同じ二玄社のNAVI誌に展開されている「ダイナミックセイフティ・テスト(以下DST)」を挙げなくてはなりません。ここではブレーキおよびシャシーの総合性能だけでなく、そのブランドの志や哲学などにもスポットを当てています。
私は次の二つのテストに注目しています。
-旋回ブレーキ・テスト
-ダブルレーンチェンジ・テスト
旋回ブレーキ・テストはドライの直線路から100km/hで半径50Rのぬれたコーナーに進入し、同時にフルブレーキングを行うものです。ここではABSを含めた総合的なブレーキ性能だけでなく、旋回性能についても評価されます。どんなに短い制動距離でもラインが外側にふくらんでは「危険」となるわけです。
ダブルレーンチェンジ・テストはwet conditionで80km/hで進入して障害物を回避し(レーンオフセット4m)、再びもとのレーンに戻るテストです。
自動車両安定装置を含めたシャシー性能だけでなく”マン・マシーン・インターフェース”についても評価対象になっています。
このDSTで言われている、旋回ブレーキテストでのメルセデス・ベンツEクラスの凄さ、ダブルレーンチェンジ・テストでのBMW5シリーズの凄さは認識せざるを得ないでしょう。
しかし、例えばスバル・レガシイ3.0Rもテストにかけられていますが、ダブルレーンチェンジではEクラスをしのぎ(旋回ブレーキでは及びません)、5シリーズに肉迫しています。価格差を考えればこれは事件なのではないでしょうか・・・これも富士スピードウェイでの清水和夫氏の駆る「躍るB4」を見ると納得することになるのですが(レガシィ富士スピードウェイ体感試乗(2)参照)
メルセデスのバイワイヤブレーキとBMWのアクティブステアリングを組み合わせたら・・・そこにレクサスGSが挑むわけですが、これは早速NAVI誌12月号で報告されています。GSは一度に欧州プレミアムの双璧を相手にするのですから、大変です。個人的にはハイブリッドAWDを採用することで、異次元の領域に達することに期待しています(GSのハイブリッド・バージョンは残念ながらFRだそうです)。
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