聖域での開発

「日本車は個性がない」と言われますが、本当にそうでしょうか。以前、カーグラフィックの姉妹誌?のNAVI誌に興味深いエッセイがありました。「サンクチュアリ(聖域)での開発」という題のそれは、マツダ・ロードスタースバル・レガシイ・アウトバック(レガシイワゴンのロードクリアランスを200mmに拡大した、ワゴンとSUVのクロスオーバータイプ)を取り上げていたと思います。

これらの車が開発されているときには、周りに同じコンセプトの車は存在していませんでした。ロータス・エランはもはやクラシックの香りもしていて、当時オープン2シータースポーツの市場があるとは思われていませんでした。

そのエッセイでは、「後発の開発者は、ロードスターやアウトバックを見なかったと言う事は出来ない。」とありました。そのカテゴリーで、何も見ないで開発したのは、この2ブランドだけであり、これからもこの2ブランドだけなのです。その「聖域」での開発は、これらのモデルに一種の迫力を与えます。この2台は、モデルチェンジを重ねていますが、コンセプトのぶれは感じられません。それぞれの分野でMercedes-Benz、PORSCHE、AUDI、VOLVOといったお歴々が参入していますが。この中で最初に手を上げたのは誰なのかと言う問いに、2台の日本車が手を上げる姿は誇らしい限りです。

カーグラフィック誌(12月号)でロードスター、ボクスター、SLKの比較がされています。「クラスが違うだろう」と思われるかもしれません。しかし、開発の場では後発2ブランドはロードスターの成功(オープン2シーターの市場の存在)を見てから開発しているので、この取り合わせは的を得ていると評価したいと思います(記事の中でもことわっていますが、むしろSLKをBMW Z4にチェンジした方がいいでしょう)。

この記事の中で、CG誌は「ロードスターのシャシーが後発の現代的スポーツカーと違う文法で躾られている」としています。これを読むとやはりロードスターにも試乗しないとイケないようです・・・

日本には、ほかにハイブリッドもロータリーもSH-AWD(レジェンドに搭載)もあります。こんな国は他にないですよね・・・

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