【試乗】ニッサン・ブルーバード・シルフィー

実は骨太

シルフィーのモデルチェンジには期待していました。それは、ルノー・メガーヌのプラットフォームを採用するといううわさがあったからです。現行のフォルクスワーゲン・ゴルフVは、カーグラフィック誌で過去二世代のゴルフが必ずしも高くない評価であったのに対して、久しぶりの絶賛されたゴルフなのですが、ルノー・メガーヌのフラットな乗り心地はゴルフVを凌駕しているのではという声もあるのです。

メガーヌのプラットフォームは日産との共同開発なのに、このプラットフォームを採用した日産車がなかなか出てこないのです(ラフェスタが実はそうですが、あの柔らかさはやはり独特です)。このプラットフォームと日産得意のCVT(無段変速)をSHIFTされたデザインでまとめれば、いい車ができるのではと思っていました。

シルフィーの試乗からかつての日産のFFスポーツセダン、プリメーラの次期モデルの課題も考えてみました。

シルフィーはメガーヌのプラットフォームは採用されずティーダやノートと同じ小型車プラットフォームが採用されました。しかし、サスペンションやステアリング系の剛性感、突起を越えた時の遮音もティーダとはクラスが違うものに進化しています。それとこの日は突風が吹いていたのですが(応対してくれた女性は髪がぐちゃぐちゃになりながら見送ってくれました。すばらしい!)、風切り音が小さく押さえられていたのは明記しなくてはならないでしょう。

パワーステアリングはTIDAからあまり変化は無いように感じました。今回の試乗で気が付いたのですが、この電動パワーステアリングの感じはシトロエンC4やルノー・メガーヌに似ています。どちらかというとC4の軽さに近いでしょうか。センターに戻ろうとする感じが強く、ステアリングホイールを45度くらい切る状況でぴくっぴくっと不自然な反動が出る事があります。好き嫌いはあるかもしれませんが、フランス車に通じるこの味わいは個性といえるかもしれません(実際、日産はルノーとのハーフですからね)。

それと、CVTです。日産のCVTは先頭グループを走っていると思われます。しかし、私はコンベンショナルなATのシフトアップしていくリズム感が肌に合っていることに最近気が付きました。そのような声は少なくないのでしょうか、マニュアルモードを備えるCVT(無段変速にそのモードを備えるのは矛盾するような話なのですが)もいくつかみられます。次期プリメーラのCVTにもマニュアルモードを備えていてほしいと思います。その場合、トヨタ・ラクティスのパドルシフト・”スイッチ”の操作感はリファレンスでしょう(ホンダも次のフィットではここは要改善です)。

細かいことですが、シフトレバーの位置が例のハンドバックのスペースに押しやられて?前過ぎになっています。自分はシートポジションはかなり前に取る方ですがそれでも遠いので、家内だと下手すると手が届かないかもしれません(家内のポジションから自分のに変えるとき10cmくらい前に出します・・・なんでだろー)。

内装は素晴らしいのですが、一点だけ、あの木目調パネルはいかがなものでしょう・・・アテンザの内装が化粧パネルで他をカバーしているのとは対照的です。オーテックバージョンであるAXISというモデルのパネルはいいのでノーマルもこっちにした方がいいのでは。http://www.nissan.co.jp/SYLPHY/G11/0512/AXIS/main2.html

日産はR32スカイラインの頃と違って「優しい」車を作るようになったと思います。

私がかつてそう思っていたように、現在の日産車の内装をデザインが悪い、安っぽいと言う若い人はあまりいないのではないでしょうか。デザインで素材の品質感をカバーするのはコンセプトとして良いと思うし、外観デザインのSHIFTも(FUGAのリアコンビネーションランプを除いて)歓迎したいと思います。

一連の流れに反するようにこの車のネーミングに「ブルーバード」の文字が残りました(今やサニーもローレルもセドリックもグロリアもいなくなってしまいました)。日産のSHIFTも違う段階に入ったのでしょうか・・・そろそろ”FFのハンドリングマシーン”、プリメーラを復活させてもいいのではないでしょうか。そのときはルノー・メガーヌRSのダブルアクスルサスペンションを是非お願いします。

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