【試乗】シトロエンC4

ゴルフに強敵現る

シトロエンC4は業界では「シトロエンらしい乗り心地の復活」という感じでちょっとした騒ぎになっていました。早く試乗しなくてはと思っていたのですが、他の試乗にかまけて先延ばしになっていました。

弟のコンパクトカーセレクトの一環で、実は一回も乗ったことがなかったプジョー206に一応乗りに行きました。その時、そのブルーライオン・ディーラーの駐車場にはシトロエンC4が佇んでいました。C4の試乗が可能と分かり、206の試乗はそこそこに切り上げました(カーグラフィック誌が言うように、コンパクトクラスのリファレンスはフォード・フィエスタという結論に私も異論はありません。そのスポーツモデルであるフィエスタSTはもしかすると掘り出し物?)。

シトロエンC4はフォルクスワーゲン・ゴルフを中心とした激戦のクラスにシトロエンが投入したモデルです。プジョー307と同じプラットフォームなのでシトロエンのアイデンティティーである空気と油を使ったサスペンションではありません。それでも「シトロエンの乗り心地、ここにあり」、というような高い評価が散見されます。

試乗車は2.0のサルーンでした。とにかく格好いいのです。これは試乗でもかなり甘くなってしまう?

さすが、シトロエン。メルセデスと双璧と言われてきたシートは格別です(実は東京モーターショーでこのシートに座るだけは体験しており、帰ったらすぐ試乗しようと思っていたところだったのです。これは出逢い?)。

内装も過去のシトロエンを良く知っているわけではありませんが、その質感はZXやエグザンティアとは隔世の感があります(ストリームとアコードの間に起きたホンダ内装革命みたい)。今までに見たことがないデザインですが、気に入ってしまいました。それと、ステアリングホイールのセンター部が固定していて回転しないのです(昔セドリック・グロリアにありましたね)。これで今ハンドルがどこを向いているか分かりにくいというリポートをみますが、これは大丈夫です。シトロエンはその傾向があると知識としては知っていましたが、C4も”ハンドルがセンターに戻ろうとする力が強い”ので、こちらが戻すという操作がほとんど必要ないため、あまり支障がないと思います。

センタリングの強さに慣れるとハンドリングそのものは悪くないことに気が付きます。最新の他ブランドの電動パワステと比べるとハンドルは重めですが、自分のストリームよりは軽いので不当なものではありません。ゴルフよりアンダーステアは少なめですが、コーナーでのリアの安定性は確保されています。

乗り心地はもっと柔らかいのかと想像していましたが、けっこうしっかりしています。2.0は205/50の17インチを履いているのですが、それからするとしなやかと言っていいかもしれません。ただ1.6の16インチの設定の方が本来の姿と思われます。

全体の乗り味は(音も含めて)しっとりしていると言えるでしょうか。ちなみにレクサスは全体が爽やかでさらっと乾いている感じです。新型シビックは逆にいい意味で潤いを感じ、しっとりした感じです(今までのホンダと違ってアコード辺りから変わってきたと思います)。C4はシビックよりさらにしっとりという感じがします。

意外だったのはエンジンです。この車で一番光っていました。シトロエンってけっこう回るんですね。つまりこの車はけっこう「スポーティー」なのです。ATは4段で渋滞の時などちょっとキックダウンが不得意かもしれませんが、プジョー206のような違和感はほとんどありませんでした。エンジンとセットで考えるとゴルフと同点くらいにはなるのでは・・・

日本でゴルフを選ぶ人の中に実はC4に試乗してみたら(見るだけでも)気に入る方がけっこういるように感じます。高速道路の長距離移動が少ないならば、1.6の方が良いかもしれません。私も家内用の次の候補にC4を入れる作戦を考え始めました。

ただ、VWゴルフも2世代ぶりにカーグラフィック誌で高い評価を得ています(先代とその前のモデルのそれは厳しいものでした)。このサイトでは現行ゴルフの試乗はGTIしかしていません。追加されたゴルフ・プラスにも試乗して、ゴルフVの良さを確認したいところです。

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