「清水の舞台」の試乗
こう書くと大げさですが、三菱のクルマに乗るのは初めてでした。4月1日にアップしたのも他意はありません・・・
最初はアンチの感覚だったかもしれません。スバリストにとっては三菱は目の上のなんとか・・・
もう一つは、長く購読してきたカーグラフィック誌で、とくにダンピングについて三菱車は指摘されている事が多かったと思います。
ランサー・エボリューション・シリーズのアクティブAWDについては評価しますが、エボリューション専用のアイテムという位置付けになってしまっています。
一連のリコール隠しの事件は私のスタンスを決定的にしました。このような場で触れるにはそれなりの勉強が必要だと思うのですが、その労力を払う気にもなれないので、これ以上は書きません。
このサイトで三菱車を扱うことはないと思っていましたが、この「i」についてのカーグラフィック誌の報告はその方針の転換を迫る内容でした。
私も前から初代エスティマのようなシルエットの軽のハイトワゴンがあればいいのにと思っていました。掲示板でも言われていますが、羨ましいとさえ感じる外観デザインです。
それから抱いた期待はドアハンドルを引いたときに崩されます。まあ軽はこんな物なのかもしれませんが、どこかで「これは違うはずだ」と期待してしまう外観です。
しかし、ドライバーズシートに座るとまた感心させてくれます。”インストルメント・パネルのデザイン”はとても好印象です。それと、”ドア内張りの独特のR”がすばらしいと思います。マツダMPVはこれを参考にして欲しいところです(MPVやアテンザはショルダーラインが無防備過ぎ)。
キーを捻ると今度は落とされます。このカチャッカチャという音は内装のフィニッシュから想像されるものから離れています(軽はこうなのかもしれませんが、それを期待してしまう内装デザインのレベルです)。
エンジンは、知らない人は後ろにあるとはすぐには分からないのではないでしょうか。エンジン音そのものは3気筒ということで特筆すべきではありませんが、遮音レベルは高く評価したいと思います(これが相手ではR1,2は厳しい・・・)。
カーグラフィック誌を始め各メディアのリポートでは「ステアリングが軽すぎる」としていますが、私はこれも「有り」なのではと感じました。駐車スピードで軽いのは文句は無いはずです。走り出して、その反力は一貫として自然であり(途中で予想より重くなったり軽くなったりしない)、センターに戻る時の感じがとてもしっくりきました。エンジンを傾けたことによる低重心を感じるロールとも前後バランスが取れていて好印象につながっています。
このホイールベースの長さから期待される乗り心地は予想以上でした。突起を越えた時の遮音もクリアしており、軽のレベルを超えていると思います。
ターボは低回転から効いてトルク感があります。こうなると、オートマティックのマニュアルモードが欲しくなってしまいます。
それと、給油口のようなエンジンの吸気口ですが、あの黒いフィニッシュは・・・あそこの色を選べるとおもしろいのでは。
あのような逆境のなかでこの車を開発していたのかと思うと何か”迫力”のような物を感じました。
軽の枠でこれだけの仕上がりを達成したコンセプトを1500~2000ccくらいでやってみると面白いと思うのです。内装デザインのコンセプトはこのままで、エンジンキーやコラムスイッチの部品レベルと、ドアのレベルアップでかなりまとまってくると思います。初代プレマシーの大きさでもかなりの広さになってしまうのでは・・・
三菱はそんなことしている場合じゃないと言われるかもしれませんが、それこそ、これのR1的なパーソナル・クーペは面白くなると感じました。コストが下げられる分、コラムスイッチ類とドアの質感に振り分けて今までの軽とは違う所をよりアピールしましょう。前輪の軸重が軽いのですから、パワーアシストは駐車速度のみでもいいのではないでしょうか。そういう「素」のハンドリングを売りにしてもいいのでは(リアミッドシップでなくてはできない・・・)。
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