トヨタがすべき事
2006年度の軽自動車を合わせた国内自動車販売数が、2000年以降初めて1000万台を割る見通しと新聞で報道されました。
その記事には示唆に富むデータが紹介されていました。
車を「単なる移動手段」とした人が40%を越え、「デートの必需品」「ステータス」とした人は1~2%にとどまり、「壊れるまで買わない家電製品と同じになった」とし「憧れの商品」から転落したと分析されていました。
中古車の販売台数も減少しており、伸びているのは軽自動車のみという数字もこの分析を支持していると思います。
2006年3月号のカーグラフィック誌は、CG AWARDのなかでこの事態を予想し、警鐘を鳴らしていました。
トヨタのヴィッツに対してのコメントなんですが、
塚原:「動くという要求は満たしてくれても楽しいってひとつも思わないんだよね。トヨタってそういう意味で自分の首を締めている気がしてならないんですよ。もっと楽しいクルマをつくんないと、いつかクルマなんてどうでもいいよっていう人がマジョリティになってしまうと思う。そうなった時のトヨタの責任はとても大きいような気がする。」
大谷:「ぼくもまったく同意見。すごく出来がいいし、安定志向のハンドリングをあそこまで突き詰めてるっていうのは、さすがって思ったんですよ。でもちっとも楽しくないんですよ、運転して。これって、トヨタの他のモデルも当てはまるような気がするんです。」
トヨタは是非検討すべきだと思います。自分が扱っている商品を「壊れるまで買わない家電製品」と同じにしてはならないのは自明です。
しかし、トヨタは素晴らしい手をすでに打っています。SUBARUとの提携です。
「スバルさんこれじゃだめでしょ・・・このラインではカムリを作ってください。」
なんてやっているかもしれませんが、「クルマバカ」の移植がトヨタの中で眠っていた遺伝子を賦活化してきますよ・・・
私は、軽自動車メーカーの責任も大きくなってきたと思います。「家電製品」の軽を作っていては、流れを加速させるだけです。運転が楽しいと感じられるクルマを作りましょうよ(みんなそうしたい筈なのだから)。
スズキ、ダイハツ・・・(順不動)、ユーザーに媚びずポリシーに従えば、軽メーカーの方がすぐに出来そうですが・・・
-車のコモディティ化が進んでいるのを私も感じます。トヨタも考えてみれば昔はダルマセリカやスターレットターボ、MR-2、レビンのようなここで言うばかっぽい車を結構出していた気がします。ある意味、日本のモータリゼーションも大人になった(冷めた?)ともいえますが。身の回りや知り合いを見ても、独身者や子供のいない夫婦(いても1人)がミニバンを喜んで買っていて、RX-8やS-2000、MSアクセラなぞ買っているのは私と同じ35~40過ぎのオヤジ世代ばかりです。ファミリア、スターレットターボ、シャレードなんかで運転の楽しさを知った私には、家族が多くもないのに何を好き好んで若いうちからミニバン?って思いますがねえ。ミニバンって同乗者や荷物、あるいは使用目的(キャンプやアウトドアなど)そのものが主役で、ドライバーは「操作員」でしかないように感じます。もちろんミニバン(あるいはヴィッツ)みたいな車はなくてはならないのですが、みんなが車の楽しさを知る前からこうした車に乗ってしまうのは、冷蔵庫を選ぶのと同じ基準(いっぱい入る、ドアがあけやすい、省エネ、形は四角でいい、趣味性なんて求めない)で車を選び、車を作る傾向になりそうでちょっと面白くない。ただオデッセイやストリームはこの点、がんばってくれてますね。ドライバーを中心に考える車作りを続けるスバル、マツダもポリシーを持ち続けてもらいたいものです。(ついでにMTも作り続けてほしい)
で、私はいまスズキに期待しています。国内の地味イメージがつらいですが、世界的には評判が急上昇中みたいで、WRCでSX-4が活躍すればまた認知度も上がっていくでしょう(世界市場なら)。アジア発のトヨタにない新しい日本車像を作れると思います。 — [IR0430] 2006-10-28 13:34:40 (土)
-IR0430さん、ナイスなご投稿ありがとうございます。SUZUKI来てますよね。SX4のWRCベースモデルはまたビンタしてきますよ(私もやられてしまうかも・・・)。また、改めてコメントいたします(^_^;) — [Tanac] 2006-10-28 21:38:03 (土)
-IR0430さんに同感です。別項のTanacさんの書き込みとも関連しますが、今の若い人はゲームやメディアでのバーチャル体験で満足して実車を操る喜びをさほど求めてないのかもしれません。さびしいと言えばさびしいですが、その方が事故のリスクもなくお金も資源の消費も少なくてすみますから正しい(というか賢い)のかな。私が子どもの頃は車は”夢”でしたが、今の若い子たちは生まれた時から車が家にあるのが当たり前だったでしょうから、その辺の環境の違いもあるのでしょうか。アナログ世代の感傷と言えばそれまでですが。 — [G>] 2006-10-29 20:17:41 (日)
-ある意味、成熟ともいえるのだと思います。車を冷静に道具として見るようになったというか。アウトバーンもアウトスタラーダもないのに梅雨やら渋滞はきっちりある国でフェラーリやポルシェ乗ってもしんどいだけですしね。トヨタや軽自動車メーカーは(ミスリードはあるとしても)求められるものを作ってきただけでしょうから、メーカーの責任というより、多くのユーザーが車に夢や趣味を求めなくなっているのだと思います。やっぱり市場として成熟しきった冷蔵庫と同じになっていくんでしょうか。あ、今思いつきましたが、インド、中国、東南アジアなど成長中の国ではまだまだ高級車もスポーティカーも記号や夢として成り立つようですから、成熟というより若者の上昇志向がなくなった?現状満足?とすれば国の行く末としてはもっと根深いかもしれません。考えすぎですかね。目先は日本市場に刺激や選択肢が減るのを心配してます(ゴルフもSX4も日本仕様はMTとエンジンバリエーションが欧州仕様より少なくなってしまったように、です)。それと気がかりはトヨタはもしかして日本仕様は冷蔵庫的でいいと思っているんじゃないかと・・・画一生産得意だし・・・ — [IR0430] 2006-10-29 21:49:56 (日)
-G>さん、IRO430さんありがとうございます。ここでTanaCar.netの北米非常勤特派員?のmomoさんの報告?を書いてみます。あちらに赴任しているトヨタやホンダのスタッフの話ということでしたが、拠点を日本のままにしておいていいのかという検討がされたそうです。「日本、どうする?やめちゃう?」ショックでしたが企業としては当然の検討ということでしょうか。
トヨタは愛地球博もあるし日本に留まる事をセレクトし、ホンダは日本の位置付けを下げるということにしたそうです(これはラインナップに窺えますよね)。そう、トヨタの方が合理的ではないのでしょうか。まあ、本当にデフレ真っ只中だったので、最近の分析は変わったかもしれませんが・・・
私はトヨタに出来ることは大きいと思うのです。ユニバーサルデザインという考え方はオリジナリティーがあり、その言葉が出てくる前からトヨタのポリシーだったのでは。私はこれがトヨタの成功のコアと理解しています。
でも、それと、車の冷蔵庫化は必ずしも同じベクトルにはならないと思います。ユニバーサルデザインなんだけど、楽しい。これはこれでコンセプトとして素晴らしいと思います。大もとの哲学が、「動けば何でもいい」をトヨタは受け入れてはなりません。
ホンダですが、日本向けのみのモデルは戦略的に厳しいのかもしれませんが、少なくとも私はホンダはアメリカンだとは思っていない(思いたくない)のです。F1はヨーロッパの文化なのですから、欧州向け戦略車を日本に導入した方がプレミアムにつながるのでは・・・たまたま新型がでたので、SUVで言えば、RD-XではなくてCR-V的な方がいいと思います。
「アナログ世代の感傷」ですか・・・でもそれを自覚しないと支障が出ることもあるでしょうね。ちなみに私、今でも「夢」なんですが(^_^;)若いのがボロボロのBGを下駄代わりに乗っているのを見ると・・・「いいなー」 — [Tanac] 2006-10-30 06:31:33 (月)
-トヨタは不思議な会社です。雑誌に載っている新車発表時のチーフエンジニアへのインタビュー記事とか読むと、結構車にアツイ人達が多いのにつくる車はああなってしまうという…。また、走りを標榜する車でない方がハンドリングがよかったり、注目度の低い(=売れてない)車がマイチェンで走りが格段に進化していたりとか。作れるけど作れない(或いは作らせない)事情がどこかにあるのでしょうね。でも、トヨタがつまんない車出してる時は次の大飛躍に向けての助走期間だという話もありますから、心ひそかに期待してます。やるときゃやるのもトヨタですから。それとTanac様の言われる軽メーカーの責任ですが、トップの2メーカーは変革のギアをチェンジして加速し始めてると思います。スズキはスイフトから、ダイハツはエッセから(ムーブでさらに加速)。でも考えが対照的なのが面白いですね。販売台数には固執せずいい車を作るという方向に転換したスズキと、いい車を作って販売台数を伸ばそうとするダイハツ。軽メーカーからの改革、確かにアリだと思います。 — [G>] 2006-10-30 20:25:17 (月)
-まさしくアリですよね。スズキもスバルのようにWRCをきっかけにイメージが大きく変われば今のクルマ作りが生きてくると思います。トヨタについては確かに不思議な会社ですよね。あれだけ生産性突き詰めながら、経済合理的には?と思うような支援をいろいろな分野にしてますしね。HONDAはシビックタイプRの復活を決めたようなので、今のクルマ買い換えるの先延ばしして日本仕様車見極めてから決めようかと。このクルマの方向性がHONDAの日本市場に対する見方もある程度占えるのかなと思ってます。 — [IR0430] 2006-10-30 22:13:49 (月)
-G>さん、IRO430さんありがとうございます。スズキとダイハツの「加速」に期待したいと思います。 テーマがズレるかもしれませんが、今日本で売られているシビックのリアコンビネーションランプについてはいかがですか。私はアメリカ仕様のままでいいと思うのです — [Tanac] 2006-10-31 06:22:22 (火)
-もともとのシビック好きにはアメリカ仕様のほうがしっくりきますね。私はこちらのほうが好きです。HONDAは需要のあるところで作る決断をだいぶ前にしているので、日本では5ドア+MTの導入はありえなさそうなので、かなり落胆してました。5ドアのタイプR出してくれませんかね。日本市場はMT乗りにはいよいよつらい市場になってきました。絶滅危惧種として保護してもらいたい。すいません、話がずれました。 — [IR0430] 2006-10-31 21:17:10 (火)
-アメリカ仕様のままでいいと思います。5ナンバーサイズでカッコよかったらもっといいんですけど。今の愛車、新車当時はコロナとかと同じミドルクラスと言われてましたが、今やカローラがその大きさになってしまいました。なんともはや…。ところで、トヨタのオーリスってどうですか。もうひとつピンとこないのですが。ルノーサンクの翻案とはいえ、今になってみると初代カローラFXのセンスが奇跡に思える。 — [G>] 2006-10-31 21:30:59 (火)
-IRO430さん、G>さんありがとうございます。あとは、顔がもう少し愛嬌があれば家内号の「次」にシビックを推せるのですが・・・
実はアメリカのほうがMT比率が高いというの読んだことがあります。これは実はショックでした。日本ってめんどくさがりなだけ? 全体的なMT比率は低いのでしょうが、スバルは15%というのも見た事があります(ちなみにホンダは0.5%!)。この日本でこれはどう理解すればいいのでしょうか(だからスバルは国内が不振なんですかね)。
カローラFXですか・・・あ、ほんとだ。これはノーマークでした。オーリスは見ただけですが(試乗車がなかったのです)、アクセラやSX4のような発するものがないですかね・・・
5ナンバーサイズですがこれについてはTTの試乗で見えた事がありましたので改めて・・・「ロードスター」に書いてあることに係わってくるようです。 — [Tanac] 2006-11-01 10:02:24 (水)
-今日、カー用品店の駐車場でRX-8に乗っている友人と喋っていたら、ローダウンしたカムリ(現行型)が駐車場に入ってきたのですが、それが実にイカシてました。と言っても、ただ車高を落としているだけでホイールもノーマルのままでしたが、なんともいい具合に肩の力が抜けているというかハズシ方が絶妙。友人と一緒に「ちくしょーやられた、カッコいいなー」と感心すること頻りでした。オーナーさんはミニバン系に乗っててもおかしくないような20代半ばくらいのお兄ちゃんでしたが、しれっと乗っている風情がまたニクイ。本人はまさかおっさん二人から「おしゃれ上級者」として熱い視線を浴びていたとはよもや思わなかったでしょうが。それはさておき、車はドレスアップばかりが能じゃないドレスダウンというテもあるんだと気づかされた出来事でした。(コラムとは関係ない内容で失礼しました) — [G>] 2006-11-03 20:27:34 (金)
-これですか?
でもRX-8&190Eのおっさん二人の方がはずれてますから~残念!このフレーズが一番外れてますね(^_^;) — [Tanac] 2006-11-03 20:32:46 (金)
-そうそうこれですこれ。ボディカラーは白でサンルーフついてたのが車高短とミスマッチな感じで、それがまたおっさんコンビ的にはビンゴ!って感じでした。って北米かよ! — [G>] 2006-11-03 22:09:57 (金)
-きましたねーありがとうございます・・・まさにB9トライベッカのかわりにこれをスバルも作るわけですよね。三本氏はそういう事をスバルはするなと怒ってましたけど・・・(くせになるらしい) — [Tanac] 2006-11-04 00:03:03 (土)
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