コンパクトカー・セレクト

条件:

都内の通勤、仕事中心のコンパクトカー。高速道路の長距離はほとんどなし。いざという時5人乗れる。

解答:

実はこの相談者は私の弟です。現在アメリカにいますが、帰国後、都内を通勤、仕事で使う車を検討しています。「いざというとき5人乗れる」ということなので次のような車達に試乗しました(そうでなければ彼の言う通り、ダイハツ・コペンといきたいところです。ああいう車に乗ることができる方がうらやましい・・・)。
・スズキ・スイフト
・ホンダ・フィット
・日産ノート
・マツダ・デミオ
・(トヨタ・ラクティス)

レパード・J・フェリーのところでも書きましたが、彼の車遍歴は侮れません。欧州車よりも欧州車らしいと言われた名車、初代プリメーラ。バブルの最中、日産が「ジャガーの乗り味を再現した」とはばからなかったJ・フェリー。当時、ベストハンドリング・ミニバンとも言われた初代プレマシー。そのつもりはなくても、車の運動性能における彼のリファレンスは高いと言わざるを得ません。

しかし、彼がアメリカにいる間に、日本では小さくてもクラスを感じさせない、びしっと安定したシャシーを持つ車が出現し、彼を迎えてくれます(運のいいやつめ・・・)。しかもその車はスバルもホンダもちょっとご無沙汰の世界チャンピオン(’04JWRC)です。

ホンダ・フィットエンジンはやはりベストです。ただ、発進時のCVTによる独特の音と言うか振動が個人的に気になりました(この辺りは日産、トヨタは解決していますね)。走り出してしまえば問題ありません(ただパドルシフトのクリック感はいくらなんでも・・・トヨタの新顔ラクティスはこの辺りはさすがです)。電動パワステはライバルたちに先行を許してしまったでしょうか。しかし致命的なのは、落ち着きのないリアサスペンションでしょう。マイナーチェンジで改善したという記載を多くみますが、これでは弟の目をごまかすことは出来ないでしょう。

意外だったのはデミオです。スポーティーな運転では水を得た魚のようにハンドリング・乗り心地のバランスが合ってきます。マイナーチェンジで電動パワステに変わっていますが、その仕上がりはスイフトよりもいいかもしれません。切り始めはあとほんの少し遊びがあった方がいいと思いますが、「これがマツダだ」といわんばかりに他のマツダ車でもそうなので、こちらが合わせるべきなのでしょうか・・・

それとAピラーが視界の妨げにならないのです。これは、運転していてストレスフリーだし、他のメーカーも追従してもらいたいところです。

ただ、アドレナリンが出ない流すだけのような運転では、先ほどのバランスの良さからの格差が目立ちます。特にATがギクシャクすることが多いのです(ミッションも飛ばすと俄然しっくりしだすのです。マツダのDNAというものでしょうか)。

スイフトは飛ばしたときの安定の良さだけでなく、流しているときにも快適なのです。スイフトに試乗しているあいだ、私はほとんどニヤニヤしていたと思います(ほかのどの候補車よりもその割合は高かったでしょう)。

スズキはWRCへのステップアップを準備しているようです。そのベース車となるモデル(2006年5月頃のエリオ?)に今から期待せずにはいられません。ともすると、敷居の高いインプレッサVSランエボの世界に新しい風が入るかもしれません。

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