【試乗】ホンダ・レジェンド

空飛ぶ絨毯(SH-AWD)

この車には是非試乗することをおすすめします。試乗の際、どこに行ってもいいと言われたのですが、幅が1845mmの車で狭い山坂道に向かっていました(そう思わせる軽快感があるのです)。ところがはじめの登りのカーブを曲がったとき「おー何だこれは」と思わず声をあげてしまいました。試乗で声をあげたのは初めてです。

前を走っていた気合の入った?スクーターの後ろにぴたっとついてしまいました。あの狭い山坂道で、この大きな車で、それもまったく無理せずにそれは可能でした。自分の思ったように曲がれるのです。それも人馬一体感を感じながら。ある記事で「ワインディングではポルシェ911に負けない・・・」というコメントをみた事がありますが本当かもしれません。

カーグラフィック誌の2005年2月号に、吉田匠氏によるレジェンド、クラウン、フーガの比較テストのリポートがあります。これは3車の特徴をよく整理してあります。

レジェンドについては「エンジンが活気にあふれている。」「ホンダはどこかで気持ちよく回るエンジンの勘所を掴んでいるのだろう。」としています。これは、私も現在ストリームに乗っていますが、ホンダのエンジンはたしかにちょっと違うと思います。

「ステアリングの切り始めのレスポンスはフーガほど敏感でなく適度」「高速コーナーへもリラックスしたままメリハリをもって進入できる」「ワインディングでのコーナリングは絶品」やはり、コーナリングについては手ばなしの高い評価になっています。

ここでタック・イン時の挙動はどうなのかと懸念を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。それに対しても氏は「半ば意図的にスロットルをとじてある種のきっかけを与えたところで再び踏み込むと、危なげのないテールスライドさえ味わえる」としており、加速していない状態でのSH-AWDの完成度が確認されています(このスロットルを閉じている際のSH-AWDの有効性はポール・フレール氏も「史上最高のアンダーステア・キャンセラー」としています)。

これは、多くの専門家が指摘しているところですが、吉田匠氏も「身のこなしが実に軽い印象を与える。」「上下方向にいささか無駄な動きが多い。」と乗り心地に言及しています。自分の好みではこの「身のこなしが実に軽い」というのは美点となります。ただプジョー407は身のこなしの軽さと乗り心地の両立(「凄い」乗り心地)を実現しているので、ホンダも是非これを目指して欲しいと思います。

SH-AWD(ス-パー・ハンドリング・オール・ホイール・ドライブ)はまさしくスーパー・ハンドリングでした。この未来からきたスーパー・ハンドリング・マシンは従来の「自動車」とは次元が違っていると思います。このSH-AWDが今後ホンダのどの車種に展開されていくのか、見守らずにはいられません。

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