【試乗】フォード・フィエスタ

言葉が多く必要

カーグラフィック2004年6月号に、フォード・フィエスタ、VWポロ、プジョー206、シトロエンC3の比較テスト記事がありました。そこで、意外なクルマに「白眉」という言葉が使われ、ずっと気になっていたのです。実家の車の後継や先輩のクルマの買い替え話で後回しになっていましたが、先日、やっとその車に試乗しました。そこにはアウディ80にみた伝統的なドイツ車らしさが踏襲されていました。

このフォード・フィエスタはドイツ・フォード製でマツダ・デミオと同じプラットフォームを使用した兄弟車なのです。

このクルマに対して、カーグラフィック誌は「高い横剛性を確保したリアサスペンションは、このクラスの白眉。いくら飛ばしても安定性を失わない。」としています。確かに前輪が接地している限り、いくら振り回しても後ろはどしっとしています。このどっしり感は”2クラスは上の雰囲気”です。今時にしてはちょっと重めかなと感じるステアリングのアシストも、中立付近のステアリングレスポンスは適切であり、「FWDの教科書」として勉強させていただきました。

いかにもドイツ車らしい感触に満ちている」エンジンは1.6リットルがセレクトされています。キックダウン時などは回転そのものは軽く吹け上がるのですが、自分のストリームと比べると音質は低く、重々しく感じてしまいます。(この点ではホンダと比べるのが酷かもしれません。)

このクルマの全体がどっしりとした感じは、家内が出会った頃に乗っていたアウディ80を想起させます。あの全てがどっしりしている感じを、このフィエスタは備えており、カーグラフィック誌をして「伝統的なドイツ車らしさ」と言わしめたのでしょう。それには私もまったく同感です。

課題は遮音ではないでしょうか。前述のエンジン音だけがホンダのようになってもバランスが崩れます。新型シビックが達成した「遮音」を少しでも導入すれば、このクルマはこのクラスの白眉となる資質があると思います。

ただ、このクルマの試乗を終えて改めてこのクルマの佇まいをみても、「伝統的なドイツ車らしさ」を感じる事は残念ながらありません。ドイツ・フォードは伝統的なドイツ車らしさを色濃く残すドイツ車ブランドであることをもっと宣伝する必要があると思います。私は家内にこの車があのころのアウディの良さを踏襲するいいドイツ車だと説得する自信はありません(家内に対するプレゼン能力の低さを差し引いても・・・あれ、あまり残らない・・・)。

それと、このクラス離れした安定感がにじみ出るようなデザインを採用して、セールスマンが言葉で説明しなくてはならない量をぐっと減らすことが必要だと思います。(これは今のホンダにも言えるかもしれません・・・)

コメント

タイトルとURLをコピーしました