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敗戦の原因(半藤一利氏)

読売新聞の「戦後70年」に寄稿されていました。

最近の新国立競技場のやり直しにも見られるように、私たちは氏の指摘を受け止めて真剣に考えなければならないのではないでしょうか。

どう負けたかを皆知らない

「敗戦の原因は、日本人固有の精神構造にあると思います。情報を直視せず自分に都合のいい結論のままどんどん行った。ミッドウェー海戦では敵機動部隊は出てこないと決めつけ、ガダルカナル島の戦いでも、敵はすぐに引くと根拠もなく信じた。兵站が限界を超えても出て行った。

陸海軍合わせて240万人の戦死者のうち、7割が餓死か栄養失調か、それに伴う病死でした。そんな無残な死に方をする戦争なんてありえません。国全体が集団催眠にかかり、勢いで突き進んだ結果でした。」

繰り返してはならないのは、何?

「戦争は繰り返してはならない」でも、そのためには何を繰り返してはならないのでしょう・・・新国立競技場の白紙撤回も、結局は同じなのではないでしょうか。

情報を直視せず自分に都合のいい結論のままどんどん行った。・・・にはならないと決めつけ、・・・と根拠もなく信じた。・・・が限界を超えても出て行った。」

(話しが戦争ならそうはならない?新国立競技場の件もやり直す事になったのだから良いじゃないか?)

本当にそうでしょうか・・・

中曽根元総理が表明していますが、

「(当時の指導者の戦争責任について)日本人自らの責任で決着をつけるべきだった。」「東西冷戦がはじまったことで、日本社会としての戦争の総括が中途半端に終わってしまった。」

何百万人死んでもうやむやでいいなら・・・新国立競技場の件くらいで「このままではまずいんじゃないの」という声が出て、それに対して早期に対応する方が異常に見えてしまいます。

 

「繰り返さないために」新国立競技場の検証では、あのときあの声に耳を傾けていればこんなことにならなかったのだ、という検討をすべきです。

それが、「繰り返さない精神構造」なのではないでしょうか。

 

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