至宝、水平対向6気筒の伝承者
以前、アルシオーネSVXという車に乗っていた事があります。水平対向6気筒を搭載するジウジアーロ・デザインのボディーを纏った、類稀なGTカーでした。
現在はホンダ・ストリームが私のパートナーですが、常にトップ・オブ・スバルの動向についてのアンテナは用意していました。
3列シートを有するトップ・オブ・スバルの出現は「お前はスバルに乗るべし」というお告げのように聞こえました・・・
経緯については「B9トライベッカ目撃(続報)」を参照していただきたいのですが、今回幸運にも試乗の機会を得ました(TanaCar.netの非常勤北米特派員のMOMOさんより試乗が先になりました・・・)。
やはり、フロントデザインから始めないといけないでしょうか・・・試乗車はモーターショーや雑誌記事では見られなかったblackでした。モーターショーの時に感じた違和感はこのブラックB9からは感じられませんでした。「B9トライベッカ欧州仕様」の時は”シルバー”でしたが、その時も違和感は少し解消されたので、私の場合B9 トライベッカは”モノトーン”がいいのかもしれません。
B9 トライベッカは史上最大のSUBARUであり”着座位置”も最も高くなります。似たようなセグメントのハリアー・ハイブリッドの経験を引出してきたのは間違いでした・・・その風貌からは想像できないスポーティーなハンドリングを備えているからです。
カーグラフィック誌でB9を扱った記事は桂伸一氏による現地リポートだけですが、「スポーツセダンのようにロールも抑えられ、高い位置に座っている感覚すら感じさせない」は本当です。少なくともD型アウトバック(2.5i)より”ロールが抑えられ、回頭性も上回っています”。
その着座位置の高さからはあり得ないような振る舞いに気付き、SVXのような運転モードに変更すると、あの「”魔法の絨毯”」が再現されました。この重量級SUVが、荷重移動をしておくと低速で「くるり」と曲がるのです(つまりヘビー級のSUVとしてではなく、他のSUBARU車と同様に扱えば良かったのです)。
こう書くとオーバーステアの懸念を持たれるかもしれませんが、例のスペシャルステージ(SX4参照)でかなり突っ込みましたが(^_^;)、私のストリームより抑えられたロールでタイヤも鳴らさずにコーナーをクリアーします。同じコースでレガシィ2.0R(ツーリングワゴン)にも乗っていますが、重量による慣性の限界内であれば、2.0Rと同じ様にスポーツドライビングが可能です。ただ、目線がかなり高いのにそれが実現されるため、不思議な異次元の世界なのです。
(もし、試乗される機会がありましたら、ハリアー辺りではなくてオデッセイをイメージされたほうがすぐに「入れる」と思います)
D型レガシィにおけるパワステの仕上がりをTanaCar.netでは高く評価していますが、それはB9 トライベッカからすでに始まっていたようです。この自然さは絶対的にすばらしく、重さも私にとってピッタリです。「遊び」の多少という次元ではなく、切り始めの反応が適度に繊細で理想的です。
「カーグラフィック9月号より」でも紹介していますが、やはり構造上フルバランスを誇る直列6気筒エンジンの傑作、日産のRBエンジンのような快音を発してくれます。実家が2代続けてローレル(RB20DE)でしたが、誌のこの評価には”大いに共感します”。
この重量から想像されるより(先代のレガシィ3.0と比べても)低速トルクは案外あると感じました。当然「グワッ」ではありませんが・・・私は加速時に「ブーン、(シフトアップ)、ブーン」という”リズムを感じたい”ので、このストレスフリーなエンジンとシフトショックが皆無な5速AT(SVXと比べれば雲泥の差です)の組み合わせは、締まった乗り心地を含めたこの車の全体像に相応しいと思います。
燃費には6速AT?でも本当にそうなのでしょうか。燃費走行を実践する方が先なのでは・・・それがこのような重量級をセレクトされる方にとっての「[[ハチドリのひとしずく」だと思います。
TanaCar.netでは、「スバルの課題」で「B9 トライベッカもスイフトレベルのライド・コンフォートを備えている必要がある・・・」としました。D型が出る前でしたので、当時出てきた日本車の優秀さを受けてSUBARUのライド・コンフォートに警鐘を鳴らすのが主旨でした。
これに対してスバルは、D型レガシィの僅かな唯一の課題、「ロードノイズのコントロール」において目指すべき姿をB9 トライベッカですでに示していました。
内装デザインはご存知のとおり、囲まれ感のある先進的なもので歓迎したいと思います(温度表示に「80F」と出ていましたが、始めこの「F」が分かりませんでした・・・北米は温度の単位がちがうのですね)。
ただ、ダッシュボード表面の仕上げはレガシィの一般的な処理でいいと思います。それと、ウィンカーレバーやシフトレバーの操作感でしょうか・・・(実はこの辺りはスズキSX4は侮れないのです)
着座位置が高いBig SUVがスポーツセダンのように振舞う姿は窓枠を有することもあり(B9はレガシィのようなハードトップではない)、他のSUBARUとは一線を隔したスペシャルな存在です。誤解を恐れず言えば、SVXの精神を受け継いでいると感じました。
個人的な話ですが、私はどうも高い着座位置を必要としない事が今回確認できました(いろいろ言っていますが、私の足の長さではアウトバックまでですから・・・残念!あれ、最近見ないですね、これ・・・)。D型レガシィ、B9 トライベッカと試乗してきますと、導入が予想されるレガシィベースのミニバンへの期待が高まります。
着座位置が高いBig SUVを検討されている方にとって、このB9は絶対的な魅力を有していると思います(ガソリンの値段にかかわらず)。そういう意味で日本にもすぐに導入すべきだと思いますが、マイナーチェンジ版以降となるそうです。
前述の桂伸一氏のリポートでは「よりしなやかな、いなしの滑らかなストローク感を求める」としていますが、類稀なハンドリングを多少犠牲にしてもいいのか、については触れていません。Big SUVというイメージが前提になるともう少ししなやかさを備えていてもいいかもしれませんが、トップ・オブ・スバルがたまたまこの形をしているだけと考えられるのであれば、絶対的な魅力をすでに備えています。
実は私の同級生が最近アウトバック3.0R(D型)を購入したのです。彼の異動後に試乗をお願いしてみようと強く思うようになりました。同じコースでB9との比較をしてみたいですね。
それにしても、スバルは水平対向6気筒のラインナップを形成しつつあるんですね。B9 トライベッカ、アウトバック、ツーリングワゴン、B4。あとは、クーペなんですが・・・
第2のSVXに? [Tanac] 2011-05-11 22:19:37 (水)
現行型が最後になると5月10日に発表されたようですね。
3列シートミニバンが出てくるのでしょうか・・・日本仕様幅1.8mまでにしてほしい。というか円高だから日本にも入れてほしい。
やっぱり導入? [Tanac] 2007-01-24 15:38:11 (水)
この前の日曜日の当直先に「SPA!」が置いてあったのですが、「2007年注目の車」というようなページで、まあGT-Rだ、インプVSランエボ・・・と書いてあったのですが・・・下の方に並んでいる写真の中にトライベッカの写真があったのです。
隅から隅まで読みましたが、トライベッカの事は触れていませんでした(写真だけ・・・)。2007だし、GT-Rのことも書いてあったし・・・
(1月16日号だったと思います)
検索でも「やっぱり国内投入・・・」というのは見当たりません。
どなたかこの件で何かつかんでますか?
-オートギャラリーネットでも4月導入とありますね。http://www.auto-g.jp/scoop/nm_schedule/index.html — [Tanac] 2007-02-21 08:41:57 (水)
-ブログ「スバルだらけの日々」のなべ田様よりコメントをいただきました。
導入はあってもMC(顔が変わる?)後だろうとのことです。ただ、日本のビッグSUVの市場は縮小しているそうです。
最近、異動になる上司の買い替えの話に乗って、マイナーチェンジのエリシオンに乗りました。都内の渋滞では、目線の高さはかなり楽だというのです。こちらのように渋滞と言っても数百メートルのレベルでは分からない領域かもしれません。
目線の高さを前提とすると、エリシオンは頑張っているなと認識を新たにしました。重さという問題を棚に上げさせてもらえるなら、スポーツドライビングを必要としなければ、インスパイアーはいらないかもしれません・・・今度出てきたクロスロード(ストリームの別バージョン)は引っかかってきました。ただ、これの、愛嬌(+)バージョンをお願いしたいです。ホンダ車はみんな厳ついですよね・・・うちのが厳ついのに乗るとシャレにならないんで(あ、口が滑べった) — [Tanac] 2007-02-24 06:43:29 (土)